私たちの心に宿る、感動とは何でしょうか。

感動とは、誰かによって操作的に作り出されるものではなく、いつの間にか自分の内側から、こころが動かされるもの。たとえば英語で「私は感動する」は、I am movedです。直訳すれば、「わたしは動かされる」となります。

こんにちは、日本セルフエスティーム実践協会(JSELジェイセル)の小西です。

あなたの人生で今までに感動したことは、どんなことでしたか?

それぞれの人生にそれぞれの感動があるはずです。経験の中に、感動は隠れています。

でも、日々の生活の中で、あなたは知らず知らずに、ストレスや諦め、退屈といったもので、心の中を錆びつかせたりしていませんか。もしあなたが「感動のない人生」を今生きていると感じているなら、それは心を守る「鎧」や「フィルター」が分厚くなりすぎている状態かもしれません。

効率や正解、予測可能な日常に慣れすぎると、脳は、心を動かす必要性を忘れてしまいます。

人間は、感動する動物です。心を震わせることを忘れないで生きたいですね。

感動には、その人その人の受け取り方によって、感じ方が違うように思います。いくつかのエピソードに沿って話します。

感動①は、凝り固まった心の錆びを一気に押し流す「心の洗濯」のような役割を果たす。 

オリンピック選手や野球選手らの素晴らしい、または緊迫するパフォーマンスによって、彼らの凄まじい熱量に触れた直後、感動して涙があふれ、心が洗われた気持ちになりますね。今までの世界から視界が少しクリアになったり、空気が違って見えたりするのは、感動によって、心が「再起動」したからなのです。

感動②は、「自分にとって何が大切か」を再確認する機会をくれる。

友人に「最近感動しましたか?」と訊いたら、「元日そうそうに40度の熱が続き、朦朧としながら救急病院に行ったのです。帰りは、熱のために歩けないのでタクシーに乗りこみました。その時、唐突にドライバーの方が『あけましておめでとうございます』と言ったのです。 アクセントの違いにバックミラーを見ると、たぶん中国人の女性ドライバーの笑顔があったんですよ。とても丁寧でゆっくりと語りかけてきた態度に、なぜだか、心が揺れ動きました。」と話してくれました。

さらにその時を振り返りながら、「きっと、私が病気で、いつもの仕事の構えでなかったから、 “中国からこの日本に来て、元日から仕事を頑張っているのだ”と受け取ったのでしょうね、“ひた向きで誠実な姿”を感じ取ったのかもしれません。」と私に語ってくれました。 

これまで無意識に持っていた何らかの固定観念が壊され、より広い視点で世界を見られるようになる。感動は、私たちを「昨日までの自分」より少しだけ大きくしてくれます。そして、今までの価値観を更新して新たな価値観を与えてくれるのです。

感動③は、「人間であること」の肯定と明日へのエネルギーを生む。

生まれて初めて見た壮大な景色は、人間の力の及ばない偉大なものに圧倒されてしまいます。または、身近にもありますね。私はよく散歩するのですが、ふと広い空を仰ぐことで、モヤモヤした何かから、心が洗われた経験が何度もあります。あなたもありませんか?

自然は圧倒的な強さを持っています。毎年、かならず花を咲かせる木々、雑草であっても、どんなところでも、どんなことがあっても再生していきます。そこに、私たちは「自分も何かを頑張りたい」「もっと丁寧に生きたい」という活力を得ます。

感動は思考より先に、身体に、鳥肌、涙、心拍や、呼吸などに変化することで気づくことが多いのも特徴です。自分の内側にある価値観や魂の深い部分が、外部からの刺激によって、「揺さぶられ、胸から湧き上がる」感覚ですね。

あなたも思い出してみてください。人生で今までに感動したことは、どんなことでしたか?

最近感動した記憶は、どんなことですか?

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「感動」は、“人間が生きていく上で最も贅沢で、かつ不可欠な栄養素”なのです。 

完璧で非の打ち所がない人生には、感動が入り込む隙間がないともいわれます。

別の言い方をすれば、感動は「心の傷口」から入ってくるのです。自分の弱さ、未熟さ、欠落を認めた時に、その「心の隙間」から外部の光が差し込むことで、感動が生まれると言われます。

毎日楽しく生きていられることも、本当に大切なことです。でも、自分のルーティンの日常から、一歩出ることで、自分の弱さ、未熟さ、欠落を認める経験と出会い、結果的にあなたに栄養を与えるのです。

感動の入り口につながる4つのヒントをお伝えしますね。(私も実践しています。)

1. 「身体の感覚」を極限まで揺さぶる

頭で考えすぎる癖がついている場合は、まず物理的に五感を揺さぶることが有効です。

たとえば「リアル」のエネルギーに触れる: 映画館ではなく、舞台で役者が真剣に取り組んでいる姿を見る、オーケストラの地響きのような低音を浴びる、格闘技の打撃音を聴く・・・。デジタルを通さない「リアル」な振動は、五感を躍動させます。

肉体を追い込む: 息が切れるほどの運動や、極寒・酷暑といった環境(安全な範囲でのスポーツなど)に身を置く。肉体を追い込んだ後に見る景色は、鮮やかで清々しいですよね。まさしく、心の再起動です。

2.「表現する」に回る

下手でもいいから「何か」を作る: 自分で絵を描く、楽器を鳴らす、文章を書く、あるいは料理を極める。自分で何かを作ろうとすると、難しさや孤独に直面します。すると、他人の作品を見た時に「ここに至るまでどれほどの苦悩があったか」ということが、作った経験があるから解るようになり、感動の感度が劇的に上がります。

3. 「予定調和」を破壊する

「絶対に自分ならやらない選択」を一つだけする: 自分の枠を広げて、興味のないジャンルのミュージカルを聴きに行く、知らない駅で適当に下りて散策する、普段だったら話さないタイプの人に話しかける。

とりあえず、行動する:「とりあえず、ひどい目に遭ってもいいから行ってみよう」という無防備な好奇心が、偶然の感動を引き寄せます。

4. 「他人の人生の重み」を背負ってみる

自分一人の世界で完結していると、感情の起伏は小さくなります。

「一対一」の深い対話をする: 相手の人生の挫折や、秘めた想いを深く聴く。他人の魂の深淵に触れたとき、私たちは「人間という存在の深さ」に震えることがあります。キャリアの仕事をしていると、この感覚は理解できると思います。

歴史や古典に触れる: 何百年も残っているものには、それぞれの時代の中に、数え切れないほどの人生の選択や、人々との喜怒哀楽があります。それを受け止める覚悟で向き合ってみることは、人生の選択を学ぶ機会になるでしょう。

感動の入り口につながる4つのヒントはいかがでしたか。

「感動」は、 “人間が生きていく上で最も贅沢で、かつ不可欠な栄養素”。 どれだけの感動があなたの前に現れるかは、あなた次第ということになります。4つのヒントを参考にして行動しましょう。

ワクワクが止まらない、あなたの人生を育てていきましょう。

この「前向きなエネルギー」こそが、感動が与えてくれる最大の贈り物なのかもしれませんね。